セールスポイントはきちんと自分を見つめ直すことから
去る26日、定年退職準備セミナーにおいて面接のロールプレイングを担当しました。
約3時間半で27名の受講者全員を対象に行いました。
一人当たり6分~7分です。
講師にとっては非常に短時間で厳しい内容です。
しかし、実際に体験するのとしないのでは大きな差があります。
私は常に経験は最良の教師だと思っておりますので、とにかく皆さん全員に体験していただくようにしております。
受講者が希望している業種・職種は様々です。
さて、いよいよ終盤になりかかりました。
彼が希望しているのは養鶏業に就職したいとのこと。
彼は明快にお答しました。
「あなたのセールスポイントは何ですか?」
「はい、私のセールスポイントは、鶏の顔とフンを見ただけで、鶏の健康状態が分ります」。
私は耳を疑いましたが、明瞭に、しかも自信をもって答えました。
これには受講者であるにわか面接官も驚きました。
確かに明快な答えに驚くと言うよりも、本当に顔とフンを見ただけで分るのか?ということに驚いたと思います。
おそらく、養鶏業を営んでいる経営者であれば、まずは、採用へと心が動くでしょう!
素晴らしいセールスポイントです。
彼は、元々鳥類が好きで子供の頃から関わってきたというのです。仕事を通じて得たというよりも、趣味を通じて得た能力だと思います。
本物だと思います。是非、彼には望む仕事に就いていただきたいと思います。
それよりも前に、30代後半の女性に応募書類についてアドバイスをしました。
履歴書には A○○店 B○○店に勤務したということしか書いていませんでした。
職務経歴書には、接客技術、包装技術などと書かれていたのでその内容を確認するため質問しました。次第に彼女の仕事ぶりが判明しました。
たとえば包装技術とはどんなことですか?
それは、商品の包装はもちろん、ショーウインドウ及び商品の陳列まで全てが出来るというなのです。
少なくとも、お中元の季節にパートのおばさんが商品を包装紙にくるむ作業ができるというレベルと全く違うのです。
なんと彼女はアパレル関係の副店長、店長をやっていたのです。
彼女は「店長を経験していればこんなのは当たり前」だと言うのです。
「だから、たいしたことではない」。なので、ただ単に「包装技術」と書いたようです。
私は「もっと自己アピールできる表現をしたらいかがでしょうか?」とアドバイスしました。「なぜならば、あなたは素晴らしい経験をし、実力もあるのに、このような表現では、それが伝わらないと思います」と。
「まずは、あなたが経験したことをもっと素直に受け止めて、理解し、表現できるようにして下さい」と申し上げました。
さらに、在職中、約200名の従業員の教育も行ったそうです。部下育成能力もあると思われます。
このように、自分ではたいしたことがないと思っていることにはたくさんの「宝」が眠っているようです。
彼女には、是非、自分の過去を掘り起こし、「宝」を探し、「セールスポイント」に育て上げていただきたいものです。そして、応募書類及び面接により、堂々と相手に伝えて欲しいと願っています。
お断り:画像は2020年9月8日挿入しました。また、本文と直接関係ありません。