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あらためて「定年退職」と「就職活動」を考える
5月にはいり、セミナーの会場に定年退職を迎えたような60歳代
の高年齢者の姿が目立つようになった。
おそらく、3月末に長期間勤務した職場を定年退職し、一息ついた
あと、ようやく次のステップの第1歩を踏み込んだのだろうと思う。
つまり、4月には、心身ともに長年の職場とのお別れをして、心
と身の回りを整理し、次の人生に立ち向かおうと職安に初めて顔を
出して、説明を受け、就職セミナーの受講を知り、受講したのだろ
う。
筆者の経験を踏まえて想像すると、定年退職するまでは、職場
における日々の業務を一生懸命遂行してきたのだと思う。職場の仲
間と力をあわせ、会社の要求に応えてきた。ひたすら我慢をして。
また、家族のためにも。自分のことを振り返ることもなく。
つまり、日々果たすべき役割がそこにあった。だから頑張れたの
だろうと思う。
定年退職して職場を離れるということは、「日々果たす役割がな
くなる、達成すべき目標がなくなる」ことではないだろうか?果た
すべき役割も、達成すべき目標もなくなると、人間は力が出ない。
力の出しようもない。
受講者の表情をみていると、とてもくすんで見える。いきいきし
た表情ではない。当然だと思う。就職活動中は、果たすべき役割や
達成すべき目標がないからである。
従って就職活動は、新たな役割・目標を探し求める活動と言って
もよいのではないかと思う。そこで、再就職活動において、注意し
なければならないのは、定年退職によって果たすべき役割、達成す
べき目標がなくなって、元気がなくなるのは当然であるが、決して
自己嫌悪に陥らないことが重要ではないか。
それよりも、いったん立ち止まって、自分の人生を振り返り、自
分を見つめ、新たな方向性を発見し、次のステップに向かう最大の
チャンスを、神様がくれたと考えたらどうでしょう。
これまでの果たした役割からその成果を確認し、自ら身につけた
能力や向上した資質をたくさん列挙してみましょう。おそらく、驚
くはず。こんなに自分ができるようになった。こんなにも成長した
のだと。
すると感謝せざるを得なくなり、その能力や経験を生かさない手
はないのではないかと気づくはずである。
現に筆者も現役時代身につけた能力を今の仕事に充分生かしてい
る。いや、生かさざるを得ないというのが本音。
定年退職したからと言って、やることがない、充実感がないなど
と自己嫌悪に陥らず、「人生が終わった」とか「これからは付録の
人生」などと思わずに「将来への準備期間」としてとらえ、これか
らの人生を意義あるものすべきではないかと思う。
生涯現役を目指して。