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人は見かけによるもの?

修親2010.7

人は見かけによるもの?

仙台・準会員 三上ヒサミ

一 第一印象は最初の3分で決まる

「人は見かけによらないもの」ということをときどき耳にすることがあります。これは、ある人が、それまでの印象と異なる意外な行動・態度をとったときによく言われます。

例えば、みすぼらしい服装のお客様が、銀行の大口預金者用の特別室へ案内されているのを見たら、いかがでしょうか? お金持ちには見えない人なのに、なぜか、大口預金者扱いされている。この時に人は見かけによらないものだと思うでしょう。

ここでよく考えてみると、みすぼらしい服装をした人を一瞬にして見ただけで、その人はお金持ちでないと判断していることに気付きます。つまり、瞬時にして第一印象を決めているのです。周囲の人は本人の意思に関わらず勝手にその人の印象を抱いているのです。なぜ、瞬時に決められるのでしょうか? 何をもって決めているのでしょうか?

ある説によると原始時代から自然と身につけたと言うのです。人間も動物ですから敵か味方を瞬時に判断しないと命に関わります。従って現代人が生きているのはその能力を発揮した結果ではないかと考えられております。

また、何をもって決めているのでしょうか? 言うまでもなく、「外見」「見かけ」で決めているのです。決してコミュニケーションをとってから判断しているわけではありません。

ちなみに自衛隊の訓練では、敵か味方を判断する手段として「だれかと声をかけて名を問いただす誰何」をします。「外見」「見かけ」だけでは判断が難しいため、確実を期すよう毎日変更する合い言葉とともに「誰何」を併用します。

 

ところで、興味深いデータがあります。紹介します。

面接において第一印象が決まる時点はいつか?

  • 入室時から第一声まで(47.7%)・・・・・・・・平均所要時間3分
  • 自己紹介からはじめの質問への対応(28.1%)・・平均所要時間5.8分
  • 数回のやりとり以降(24.2%)・・・・・・・・・平均所要時間14分

(出典「人は見かけで選ばれる」東京ガス都市生活研究所)

47.7%という約半数の面接者が3分間で第一印象を決めたと言っています。つまり、たったの3分間で第一印象が決まったと言うのです。読者のなかに「なぜ、入室時から第一声まで3分もかかるのか?」と疑問を持つ方がいると思います。実は、この調査の回答者によって「入室時」の解釈が異なるそうです。決して、ドアをノックして面接室に入ることでのみではなく、面接前に会社の建物内に到着したときとか、受付に到着したときなどの行動も評価の対象にしているという回答者もいるようです。

確かに次の事例を見るとおわかりだと思います。

ある社長曰く「面接の日には、駐車場にはいった応募者の駐車を必ず確認する」。つまり、きちんと白線の範囲内に停めているか、1台で2台分の駐車スペースをとっていないか、隣の車のドアを開けられないような停め方をしていないかなどを見て、応募者を判断する重要な情報を得ているそうです。この事例は、まさに面接前から応募者を評価しているのです。

「さらに入室時から初めの質問への対応」において、合わせて75%以上の面接者が約6分で第一印象が決まったと言っています。つまり、早くて3分、遅くても約6分で第一印象が決まったと言っているのです。

面接を受ける立場としては、「これからたっぷりと自己アピールするので、しっかりと受け止めていただきたい。これからが勝負ではないのか」と言いたくなりますが、相手が勝手に判断するのですからどうにもなりません。

それでは、その第一印象がその後の問答により覆されることがあるのでしょうか?

データによると第一印象での評価が「変わらない」とする回答が約6割であり、「変化する」と言い切るのはわずか17.5%にすぎません。つまり、第一印象はその後も変わりにくいのです。

確かに筆者も現職時代、地方連絡部(当時)で自衛官採用のための面接官を経験しましたが、第一印象は最後までほとんど変わらなかったことを覚えております。

ところが、とてもよい第一印象が一瞬にして覆った事例があります。

ある就職支援セミナーの模擬面接において驚くべき女性がいました。彼女は若くて美人ではきはきしていて、とてもよい第一印象でした。ところが質問をしたとたん(彼女にとってやや難しかったようです)、「眉間に深いしわ」をよせて黙り込みました。驚きました。筆者よりも深いしわです。瞬間的に「近付きがたい人」になりました。面接終了後、講師のアドバイスとして「せっかくの好印象が眉間のしわだけですべて消されてしまいますので、眉間のしわを作らないよう努力して下さい」と伝えたことを覚えております。この件については本人も以前から意識していたようでした。

また、第一印象のみで何がわかるのかというデータがあります。

人柄   85・2%  面接の合否 56・3%  常識度 78・1%

頭のよさ 53・2%  転職意欲  66・9%  向く職種 49・6%

(出典「人は見かけで選ばれる」東京ガス都市生活研究所)

まずは、人柄が分る、さらに合否まで分るというのです。辞書によると人柄とはその人にそなわっている性格・品格とあります。人柄は何をもってわかるのでしょうか? それは、姿勢、態度、表情、話し方、話の内容などではないでしょうか?

二 意外と見かけをおろそかにしやすい

あなたは見かけを気にして勤務していますか?

あなたは見かけを気にして生活をしていますか?

あなたは見かけを気にして外出していますか?

筆者が現職の時(今でもそうかも知れないが、)は、ほとんど見かけを気にしませんでした。上司・同僚から指摘を受けたとき気にするぐらいです。それも、頭髪、服装、靴くらいでしょうか? ところが姿勢、態度、表情などはほとんど気にしたことはありません。そのくせ、自分のことは棚に上げて、他人のことは人一倍気にしていました。なぜ、もっと自分の見かけを気にしなかったのかとおおいに反省しております。

ところで就職活動の面接において、被面接者が最も気にすることは「何を聞かれるのか?」「緊張したらどうしようか?あるいは緊張しないようにするためにはどうしようか?」「変な質問が来たらどうしようか?」などではないでしょうか?

ところが、就職支援セミナーにおいて、自らの見かけを気にしない人は全くいないとは言いませんが、質問への答え以上に気にする人はほとんどいません。

実は面接において「ふだん」が現れます。つまり「ふだん」よい印象を与える行動、姿勢、服装、話し方をしていると、そのまま面接においても現れます。反対に、「ふだん」見かけを意識しないでいると、面接だからと言ってその場しのぎでは、それでも「ふだん」が現れてしまうものです。従って、ふだんからよい印象を与える努力が重要ではないでしょうか?

 

三 第一印象は見かけで決まる

さて、データによると、中高年者の第一印象に影響を与えるのは「服装」「姿勢」「表情」「視線」「話し方」「話の聞き方」「話の内容」です。意外と少ないのは「体型」「顔」です。ちなみに「表情」への回答率(複数回答)は100%です。

(出典「人は見かけで選ばれる」東京ガス都市生活研究所)

 

まず、服装や身だしなみでチェックされるのは「清潔感」です。過度におしゃれをする必要はありませんが、だらしない、不潔だと思われないようにすることが重要です。

次に姿勢・立ち方については、背筋が伸びていること、あごをひいて、肩の力を抜き、手は体につけることが重要です。

回答率が最も高いのは「表情」です。表情において最も重要なのは顔つき、目つきです。顔つきは、「笑顔」が最もよく、次に「和(なご)み顔」がよいとされています。眉間にしわをよせた不機嫌な顔は敬遠されます。(筆者も眉間にしわがよりますが、)

また、目は特に重要であり、視線に十分気をつけなければなりません。自信がないと視線を下げたり、常に動いたりします。自信がある又は興味があると、話し手をしっかりと見据えるものです。

 

四 見かけをよくすると印象もよくなる?

見かけをよくすると印象もよくなります。

印象がよいと周囲からそれ相当の反応があり、ひいては周囲の人によりその人の人柄・性格が作られます。ある人は「性格は変えられないというが性格は変えられる」と言っています。それはどういう事かと申しますと、例えば次のとおりです。

 

見かけをよくする(だけではありませんが)

周囲によい印象を与える

周囲の人はいい人だと判断する

周囲の人はいい人としてそれ相応に接する

本人がいい人だと見られていることに気付く

本人もその気になり言動・表情などが変化する

だから性格は変わったと言える

 

また極端な例ですが、社長たる者はみすぼらしい車に乗ってはならないとよく言われます。みすぼらしい車に乗った場合、その車を見たお得意先又は取引先はどのように感じるでしょうか?きっと次のようにつぶやくでしょう。「いつつぶれるか分らない、従って取引はそろそろ終わりにしなければならない」と。

一流の事業家は一流の洋服、一流の車、一流のグッズを持ち歩いています。そうすることにより一流の人物と交流し、ひいてはその人の品格を引き上げたという事例はよく聞かれます。

ふだんの勤務、家庭生活、地域活動などにおいて人と接する場面ではよりよい印象を与えることに努めましょう。それは自分自身のためであるのです。その延長線上に就職活動の面接があるのです。面接のためだけではなく、よりよい人生を送るためにも好印象を与えるよう努めることが重要です。

もう一度繰り返しますが、好印象を与えるためには、まず、服装、姿勢、態度をきちんと保ちます。さらに、表情を豊かにします。そして話し方を工夫します。

表情は少なくとも「和み顔(なごみがお)」を演出します。

筆者のように眉間にしわがよる人は、しわを作らず「和み顔」を作れるようふだんから訓練します。なぜでしょうか? あなたは眉間にしわがよる人に近付きたいと思いますか? それとも「和み顔」又は「笑顔」の人に近付きたいと思いますか? 筆者ならば当然後者に近付きたいと思います。

ところで、少なくとも「和み顔」にするためにはどうすればいいのでしょうか? 朝、歯を磨くとき鏡を見ながらチェックするのもよいかと思います。そして、最も大切なのはふだんから心を穏やかに保ち、メリハリのある充実した生活を送ることです。辛いことや苦しいことは決してその額面通り受け止めるのではなく、別な視点でよい勉強をしたと解釈して「我が人生に悔いはなし」で受け止めてみたらいかがでしょうか。

また、話し方については、相手に不快感を与えない、不安感を与えないよう相手を思いやる気持ちで話してみましょう。これらに気を付けるだけで相当の好印象を与えることができます。是非、実践してみて下さい。なお、現在、筆者も鋭努力中です。

 

 

参考文献 「人は見かけで選ばれる」東京ガス都市生活研究所 中経出版

「男の『外見』コーチング」 三好凛佳      PHP研究所

労働局・ハローワーク主催就職支援セミナーテキスト JADA

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