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働いている人の年金と繰り下げについて
5月16日、お客様と研修会の打ち合わせを行っていたとき、
従業員の年金の話題になりました。
「給料をもらっているので年金が減らされている60歳以上の従業員は、
もらわずに後でもらうと多くもらえると考えています」という内容でした。
話している相手も、それほど年金について詳しくないようなので、
質問しても無理かなと思い、それ以上質問しなかったのですが、
少なくとも「それは年金を繰り下げて受給しようということですね」と確認しました。
間違いありませんでした。
「在職の場合、受給できる年金は減額されます。
繰下げした場合、減額した部分も計算に入れて多くもらえる?
残念ながらそんなことはありません。」と伝えました。
年金財政の厳しい中、収入がある人には、年金を少なく支給します。
しかし、もらわずにあとでもらったとしても、その元となる年金額は減額部分を除いて計算されるのです。
また、60歳台前半に支給される「特別支給の老齢厚生年金」には繰下げ制度はありません。
ただし、上記のとおり、60歳台後半に支給される「本来の老齢厚生年金」には繰下げ支給の制度はあります。
最後に、繰下げのメリット及びデメリットがありますのでご自分でしっかりと確認し慎重に判断すべきです。
なお、在職老齢年金はあくまでも老齢厚生年金にかかわることであり、老齢基礎年金にはかかわらないので注意が必要です。
ついでの話です。
年金制度は該当する人により多種多様なので、周囲の人、特に年輩の人の言っていることをうのみにせず、
きちんと年金相談所、社会保険労務士に相談し、自ら確認することをお勧めします。
年輩の人は後輩に教えたがります。しかし、年金制度はどちらかと言えば、年輩に有利な制度です。
決して、「年輩がそうだから、私も」と思わないよう気を付けるべきです。
年輩の方は、ご自分の年金について後輩に伝えない方が無難です。
後輩を惑わす原因になります。(筆者の経験から)