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話題のスーパーボランティア尾畑氏とライフプラン

1 捜索開始からわずか30分で不明の男児を発見した尾畠氏
尾畑氏は、山口県周防大島町で行方不明になった藤本理稀ちゃん(2歳)を、
8月15日6:30頃失踪から68時間後、曾祖父宅から北東へ約500mの山中で、
捜索開始から30分で発見した。マスコミにより全国的に尾畑氏の活躍ぶりが報道された。
尾畑氏は、65歳の誕生日に、経営していた魚屋をスパッとやめて、困っている人を助けるボランティを始めた。現在78歳。他にも、趣味としている登山で、自ら登った山には、自費で標識を設置するなど登山の安全性向上に貢献し、感謝状を受賞している。

2 尾畑氏は、ライフプランセミナーを受講したのだろうか?
さて、尾畑氏のライフプランについて、注目してみたい。なぜならば、筆者はライフプランセミナー担当講師として、「受講者には、明確な将来目標を持たないまま退職を迎える方が多いのはなぜか?」と常日頃から疑問を抱いていた。だから、ライフプランセミナーが必要だと考えていた。
尾畑氏は「これまで、お世話になったのだから、これからは人の役に立つことをしたい」と65歳誕生日を機に魚屋経営者から、収入が伴わない無償のボランティアへの転換を決断した。
見方を変えると「欲を下げて、足るを知る」生活を選択したのである。貯蓄はあるかもしれないが、その収入はおそらく老齢基礎年金のみだと考えられる。
ところで、尾畑氏は、65歳で魚屋をやめる前にライフプランセミナーを受講したのだろうか? いや、「参加の有無」よりも重要なのは、どのようにして、ボランティアを主体とする収入が伴わないリスクのある生き方を迷いもなく決断できたのだろうか? 尾畑氏の「決断力」に注目すべきだと気づいた。
尾畑氏は、魚屋を経営していたという。つまり、尾畑氏はまぎれもなく「経営者」だった。経営者は、常に周囲の状況の変化を察知し、判断して、商品を仕入れ、値段をつけ、接客し、販売する。いわゆる、常に「自分で状況を判断する」ことを行っていたのだろう。当然、自らの人生についても十分判断する能力を持っていたことは間違いない。

3 ところで、一般の会社の従業員はどうか
では、一般の会社の従業員は、自らの退職後の人生をなぜ決められないのだろうか?
それは、長年、会社人生を送っているからである。つまり、状況の変化を察知し、判断するのは会社側が行い、従業員は会社の命令指示に従い業務を遂行すればよい生活を送っている。よって従業員は、自ら判断することはまずない。
ところが、会社は、勤務期間中の従業員に対し(業務上の)命令指示をするが、従業員の定年退職以降の人生までは命令指示しない、というよりもできない。このため、従業員は、退職後の人生を自ら判断しなければならない。果たして経営から退いた尾畑氏のように、退職後の生活について、自ら判断できるのでしょうか? このことが、経営者であった尾畑氏との大きな違いではないだろうか?

4 よって従業員に、退職後のライフプランを確立する支援が必要
長年勤務した会社を定年退職する従業員の退職後のライフプランを確立させるためには、雇用者である会社側が責任をもって、退職予定の従業員をサポートしなければならないだろう。なぜならば、会社は、長年にわたって会社に対し盲目的に「服従」させることにより、組織を維持・存続してきた。そのかわりに、従業員の判断能力向上の機会が失われたと言っても過言ではないだろう。
会社は、退職後の人生に関する判断材料を提供し、自ら判断するよう促し、退職後のライフプランを自ら確立するようなサポートは当然かもしれない。
退職従業員が、社会で健全な生活を送ることができるようサポートすることが、企業の社会的責任(CSR)の一つではないだろうか。

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