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定年後の就職にはどんな資格がいいのか?3

修親2009.3

定年後の就職にはどんな資格がいいのか?

仙台・準会員 三上ヒサミ

これまで、資格に関する次の項目について述べて参りました。

一 就職に一番いい資格とは?
二 あなたにとっていい資格とは?
三 間違った資格の取り方
四 将来に結びつく効率的な取り方
以上 修親一月号に掲載
五 資格の種類
六 試験と資格の関係はどうなっている?
七 資格試験合格のための受験勉強方法
八 苦労して取得した資格は評価が高い!
九 資格はあるが自信がない!

以上 修親二月号に掲載

本稿では資格をとったら何かいいことがあるだろうか?「資格の効果」について述べます。

 

  十 資格の効果

資格を取得すると次のような効果が得られると考えられます。

①比較的短期間で体系的に必要な知識が効率的に身につく効果があります。いわゆる資格とは「知識のパッケージ」だと言われています。つまり、資格というものは、学識経験者が多くの時間を使い、議論し、検討されてきたので、その内容は必要かつ十分な知識がコンパクトにパッケージ化されています。従って資格を取得すると言うことは、それに関連した知識を体系的に効率的に身につけることになるわけであります。

②資格は肩書きとなりプライドにつながります。ビジネスでは肩書きを見て、相手を判断します。組織における職務上の肩書きも重要視されますが、それと同様に資格も重要視されます。特に、国家資格では肩書きとしての効力は大きいと言えます。

また、肩書き=資格をもつことにより、プライドが生まれます。資格内容について知らないと信用を失います。よって、常に勉強しなければならなくなり、その結果、さらに知識が増え、専門家として成長します。

③就職、転職に有利。しかし、資格への過剰な期待は禁物。

就職、転職に有利だと言うことは言うまでもありません。しかし、資格を持っているからと言って、実力が伴わないと看板倒れになる可能性があるので、注意が必要です。

定年退職後の再就職において、過去の経験は重要な要素となります。それと同時に資格も重要です。しかし、資格だけでは心細いものです。最も強力な自己アピールは「経験+関連資格+意欲」ではないかと考えます。

なお、保有資格に関する実力が伴わないならば、実力を身につける努力をすることが必要です。

④収入につながりやすい資格取得は、週末起業・副業に役立ちます。ただし、職場によっては、副業等が禁止されている場合が多いので注意を要します。これは、もちろん自衛官である現職時代は元々無理な話です。しかし、退職後、自営業を考えている方は取得する価値は十分あります。

⑤企業によっては、資格そのものより、資格取得のための努力とチャレンジ精神について評価する場合があります。つまり、特にのびようとしてやる気のあるいわゆる「ベンチャー企業」は、やる気のあるチャレンジする人を高く評価する傾向があります。

⑥人脈が形成されます。

受験仲間、講師、有資格者同士仲間との人脈が形成されます。同じ職場仲間は形成されがちですが、資格取得により、業種、職場に関係のない人脈が形成されやすいものです。 これは、お互いの情報交換、切磋琢磨などさらに成長するチャンスが生まれ、ひいてはビジネスチャンスに結びつく可能性があります。

⑦大型資格は起業にも有効。この資格には弁護士、税理士、社会保険労務士、行政書士などいわゆる独立開業に適したものがあります。また、直接的な開業ではありませんが、筆者の知人で、倒産を経験した社長が失墜した社会的信頼を取り戻す一手段として、「社会保険労務士」を取得することにより、社会的信頼の回復を図り、その上で新たな会社を興し、社長として活躍している強者がいます。

 

⑧資格があれば、まさに安心なので保身とボケ防止に効果があります。

たとえば、不法に解雇するならば、労働基準監督署と人脈をもち、知識を有する社会保険労務士であればいつでも交渉できます。

また、高齢者が資格の勉強することはボケ防止につながります。

筆者の経験によると、社会保険労務士の研修会には八十歳を超える多くの現役が参加しているのを見かけます。これには本当に驚きます。本人は決してボケ防止を意識していないと思いますが、通常の高齢者とまったく違って見えるというは筆者だけではないようです。例えば、坐っている姿勢はよく、耳が達者なせいかそれほど大きな声でもないのに講師の話をきちんと捉え、目も正常のようで、きちんとノートにメモをとっている。そのような姿を見ると、寝たきりとか介護とか無縁のように思われます。

⑨名刺に堂々と書けます。

名刺は初対面の人でも会話のきっかけを作ってくれるたいへんすぐれたものです。通常、職業を持っている方であれば、その名刺を持っています。ところが、無職の方はほとんど名刺を持っていません。名刺を差し出しても「私、名刺はありませんので。」といった会話になります。しかしながら、無職であっても名刺を差し出す方がいます。それには、趣味的な資格を書いています。素晴らしいと思います。名刺にはその方の人生が凝縮されているという感じを受けます。受け取っても気持ちが良く、話しもはずみます。このように、無職であっても、資格があれば資格入りの名刺を作ることができます。これにより高齢者で無職になったとしても社会的つながりは維持できます。

⑩企業によっては、有資格者に「資格手当」を支給する場合があります。例えば、従業員五十人以上の事業所の場合、国家資格である「衛生管理者」を必ず置かなければなりません。従ってこのような有資格者を優遇する手段として「資格手当」を支給するケースがあります。

⑪資格はエンプロイヤビリテイの中心的存在になります。

平成二十年の暮れの「年越し派遣村」に象徴されたように、非正規社員が全体の三割に達しています。かつての日本型経営スタイルである終身雇用制が崩れた現象にほかならないのです。そこで、働く立場の人にとっては、解雇されても、どこへ行ってもやっていける能力を身につけなければなりません。即ち「エンプロヤビリテイ」を高める必要があるのです。そして、最も手っ取り早いのが「資格」なのです。資格を取得すれば、種類にもよりますが、ある程度はどこに行ってもやっていけることになります。資格は「職を確保」するため、これからの時代に益々必要とされます。

 

以上はどちらかと言えば、プラスの効果を述べました。それではマイナスの効果とは何か?

①資格維持と取得にお金がかかります。

資格を更新するための費用、常に新しい情報を入手するための費用など必要です。もちろん、取得時もそれ相応の費用が必要です。大型資格のみならず、受講のみで簡単に取れそうな資格などでも比較的費用がかかります。

(比較的という意味は時間当たりの講習総費用を比べた場合を言います。)

②取得に多くの時間と労力を要します。

資格によっては日常生活のほとんどを犠牲にしなければならない場合があります。友人との付き合いができなくなったり、趣味に関する活動をやめざるを得なかったり、また、職場、家族に少なからず影響を与えます。取得にあたって必ず覚悟しなければならないことであると思います。

③資格は死んだら終わりです。

資格は個人に与えられるものです。従って、資格保有者が死亡するとすべて終わります。財産の相続という観点から資格を眺めますと、資格は個人の立派な財産であります。残念ながら一代限りです。なぜならば相続できないからです。

反面、プラスの効果として、お金、不動産などと比較すればの話しですが、相続ができないということは、相続争いの対象にはならないし、また、資格は盗難にあうことはありません。

 

以上の効果を踏まえて、新たな資格、あるいは上位の資格取得にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

なお、本稿は、新福保隆氏の著書「資格とシゴトの気になる関係」を参考にしました。

 

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