災害には自分で自分を守る
九州は大雨ですごいことになっている。
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1986年の「8.5」を思い出す。
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住んでいた柴田町の借家の北側には、
一目千本桜で有名な白石川の堤防があり、危険氾濫水位を超えた。
バケツをひっくり返したような土砂降り。
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引っ越し先の茨城県勝田(現ひたちなか)市の水害の状況や
宮城県南部で冠水した道路の通行止めの状況がラジオから聞こえてくる。
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引っ越し業者とは連絡をとれない。
荷物を運ぶ手伝いの人たちからキャンセルの電話。
2歳から7歳の子供3人を含む家族5人。
私は、予定通り引っ越すか延期するか悩んでいた。
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そのとき、身の危険を感じていた妻が一言。
「逃げましょう」
この一言で決心がついた。
引っ越すか引っ越さないかではなく「逃げる」のだ。
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でも、荷物は自分たちで?
業者は果たして来るのか?
道路はどこが通行止め?
引っ越す先の借家は大丈夫?
分からないことがありすぎた。
とにかく荷物を運び出す準備をした。
家族が増えたので荷物でいっぱい。
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すると大雨の中、引っ越し業者がやってきた。
仕事を休んでいる近所の人たちに荷物運搬をお願
いした。
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さっさと荷物をトラックに積み込んだ。
トラックを見送り、近所への挨拶を済ませた。
大雨の中、家族が乗った車は茨城県を目指した。
車内では、いつもはにぎやかな子供たちが静かだ。
対向車はほとんどない、フルにワイパーを動かしながら、南下。
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夕方、無事到着した。
引っ越し先の借家はやや高台にあり、水害はなかったが、
数百メート南側地区は水田地帯、泥水で茶色くなっており、
道路わきには濡れた畳や家具が山積みされていた。
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自分を守る、身の危険を感じたら逃げる、とても重要なこと。
妻から教わった。
ただ、自ら危険を感じられない人は支援しなければならない。
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梅雨空の下、4月下旬植えたベランダのトマトが
ようやく色づいた。
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九州で被災された方々に心からお見舞い申し上げます。