東日本大震災、事業所の被害=従業員の解雇ではない
写真①第35普通科連隊長宍戸氏と筆者
(第35普通科連隊は名古屋市に駐屯、当時は船岡駐屯地内に野営中)
名取市役所において、事業の継続と就職に関して相談所を
ボランティアで行っています。
宍戸氏が連隊長を務める第35普通科連隊(名古屋市守山)が
3月13日以降名取市地区において行方不明者の捜索、
給食・輸送支援を担当していました。
毎日遺体が発見されるそうです。
本当に頭が下がります。
心から感謝を申し上げたいと思います。
写真②名取市閖上地区において行方不明者を捜索する自衛隊員
写真③名取市役所内の市職員と自衛隊員
知人の誘いで、名取市役所内に相談所を設けました。
事業継続できなくなったのを機に従業員の解雇に結びつくのを
食い止めたいという狙いです。
写真④仙台東部道路名取IC交差点付近の状況
事業所が津波で全滅したので従業員全員を解雇する予定だったという
水産加工会社の社長に解雇を思いとどめるよう再考を促したら、
喜んで再検討したいと帰りました。
これで多くの従業員が路頭に迷わず済むことになりそうです。
これ以上失業者を増やしてはいけないと思います。
ますます雇用情勢が悪化するだけですから。
ただ、④の社会保険料を納付期限が延長されたとしても、今、国の対応策として
まず、個人のレベルでは
①休業でも雇用保険の失業給付を受給できる
②1/2以上の損害の場合国民年金の保険料が免除される
③健康保険で医療機関に支払う一部負担金は5月末まで支払い不要
事業所レベルでは
④厚生年金、健康保険などの社会保険料の納付期限を延長
などが示されています。
実際はその資源がないので、
早めに納付を免除にする特例法を決めることが必要だと思います。
過去の阪神淡路大震災時には1ヶ月半後に社会保険料免除の特例法を
決めた事実があります。(遅い感がありますが)
復興のきっかけは事業主の再興する意欲を高める事ではないかと思います。
よって、早く決めて事業主に早く示すべきです。
また、中高年齢の専業農家の方が、海水をかぶってしまったため
収入をえるための農業ができない。
従って、生活するために他の仕事をしたいというので、
次のように就職活動の仕方について具体的にアドバイスしました。
「将来を見据えて、自宅・田畑の処理とあわせて一歩一歩できることから
始めたらいかがですか」と助言しました。
非常に明るい表情になって帰ったのが印象的でした。
なお、復興のために行う道路、橋梁、家屋の建築・建設の際は
地元の事業者、地元の社員をもって行う。そのためには、
仕事を失った人たちを積極的に雇うべきではないでしょうか。
これが被災者を支援する道だと思います。
写真⑤壊滅状態の名取市閖上地区
しかし、現実問題として倒壊した家屋、瓦礫の撤去はどうすればよいか?
田んぼに流された他人の乗用車などの撤去はどうすればよいのかなど、
重要な問題を抱えています。
もし、自己責任で撤去するとしても費用はない。
このように支援しなければならないことはたくさんあります。
被災者の生活支援と被災地域の復興のために、
できる限り早く義援金などの配分が必要ではないかと思います。
国、県、市など行政側も早期に支援策を示すべきではないかと思います。
相談に来られる方は意欲だけはあります。大いに応援すべきだと思います。
本当に支援が必要なのは、①家もない、②仕事もない、③意欲もない 被災者かも知れません。
私見ですが、働きがい、生きがい、充実感を味わえる仕事をしてもらうことが
最善策だと思います。
がんばれ!なとり (第35普通科連隊の連絡所に書いてありました)
お断り:一部の画像は2020年9月10日挿入しました。