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共済年金と厚生年金が一元化
はじめに
平成27年10月1日、厚生年金制度、国家公務員共済組合制
度、地方公務員等共済組合制度、私立学校教職員共済組合
制度が一元化される。これにより、公務員や私立学校教職
員も厚生年金に加入することになりました。
「共済年金は、何がどう変わるのだろうか?」
を主にお伝えしようと思います。
1 被用者年金一元化の背景
①年金財政の範囲を拡大し制度の安定性を高める、
②保険料負担と年金給付に関して、民間サラリーマンと
公務員間の公平性を確保することにより公的年金に
対する国民の信頼を高める必要性から、
平成24年に関連法案が可決された。
2 一元化による主な改正内容
(1)3階部分は廃止、2階部分を厚生年金に統一
(2) 給付内容等は厚生年金に統一
(3)保険料の段階的統一
(4)3階職域部分の廃止に伴う年金払い退職給付の新設
以下、詳細を述べる。
3 3階部分の廃止、2階部分を厚生年金に統一
厚生年金に公務員及び私学教職員も加入することとし、
2階部分は厚生年金に統一。
3階部分の職域部分は廃止。
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4 給付内容等は厚生年金に統一
共済年金と厚生年金の制度的な差異については、基本
的には厚生年金にそろえる。
ただし、変更されない部分もある。
(1)被保険者 年齢制限なし→ 70歳到達時まで
(2)在職老齢年金の支給停止ライン
年齢不問 47万円 → 65歳未満:28万円
65歳以上:47万円
(3) 女性の受給開始年齢
男性と同じ ⇒ 変更なし
(厚生年金の場合は5歳の男女差がある)
(4)遺族年金
夫、父母、祖父母は年齢制限なし
→夫、父母、祖父母は55歳以上
転給制度あり → 転給制度なし
(5) 障害・遺族年金の支給要件
保険料納付要件なし → 保険料納付要件あり
(6) 未支給年金給付範囲
生計維持の配偶者、子、父母、祖父母または相続人
→ 同一生計の3親等内
5 保険料の段階的統一
共済年金の保険料(1~3階部分の給付に充てるた
めの保険料)を厚生年金の保険料(1~2階部分の給
付に充てるための保険料)として、当該保険料を平成
30年までに段階的に引き上げ、上限9.15%に統一する。
保険料率
現 在
1階部分+2階部分+3階部分=8.369%
一元化直後は 1階部分+2階部分=8.639%
3階部分=0.75%(新設)
合計9.339%
一元化後の保険料統一時(平成30年9月以降)
1階部分+2階部分=9.15%
3階部分0.75%
合計9.90%
つまり、8.369%→ 9.90%となる
参考までに、平成27年9月現在の厚生年金保険料率は8.94%
6 3階職域部分の廃止に伴う年金払い退職給付の新設
(1) 職域部分を廃止、「年金払い退職給付」
(法律上は退職等年金給付)を新設
(2) 民間の企業年金を参考にした保険料積立方式
(3) 終身退職年金と有期退職年金の半々で構成
(4) 受給期間は65歳から死亡するまで
ただし、有期退職年金は、一時金、10年、20年の分割
支給を選択
(5) 有期退職年金は、本人が支給期間を残して死亡した場合、
残余部分を遺族に一時金として支給
おわりに
少子高齢化が超高速で進展しています。
年金制度は常に変化しています。
私たちはこれに対応しなければなりません。
年金に関する情報を常にキャッチして、
自らのライフプランの参考にし
ていただければ幸いです。
なお、制度変更時は経過措置がありますので、
そちらもご確認ください。