「ささ圭」震災復興のあかし
1月10日突然宅急便が届いた。
それは、手紙を添えた笹かまのセット。
手紙の内容は次のとおり。
「新年明けましておめでとうございます(中略)
震災後、市役所で相談にのって下さいましたこと有難うございました。
あの後、廃業を思いとどまり、(中略)
そして、昨年9月に新工場を竣工することができました
(中略)前を向いて精一杯力を尽くして参りたいと思っております
(中略)追伸 社員も多くが戻ってまいりました」
笹かまはその新工場で作られたもので、事業再開を意味していた。
私はとてもうれしかった。
実は、震災直後、仙台市の南隣の名取市役所にて被災者への
相談ボランティアを行った際、第一号相談者が送り主の社長夫妻だった。
社長夫妻は、名取市閖上地区にて約50人の従業員を雇い、
宮城県名産の笹かま加工工場を経営していたが、
3月11日の津波により従業員が亡くなり、工場もすべて流され、事業ができなくなった。
社長夫妻は、従業員死亡・解雇、工場崩壊、会社の再建などこれまでに経験したことのない
重大問題を一気に抱え、相談所を訪れた。
私は、精根尽き果てている社長夫妻に事業再開への熱意を確認し、
従業員に休業手当を支給しないで雇用を確保する秘訣(合法の手段)を伝授し、
是非再開を果たしてと懇願したのである。
ホームページ:http://www.sasakei.co.jp/ ささ圭
その後、ときどき仮事業所を訪問して、贈答用商品の購入、
義援金提供、知人への商品の紹介など応援活動を続けた。
また、報道機関も津波被災企業の復興物語として進んで報道した。
当時の社長夫妻の言葉を思い出した。
「ゼロからのスタートではなく、マイナスからのスタートです」。
そして、今回の手紙には「前を向いて・・・」とあった。
引き続き応援したい。復興と雇用維持のために。